(仮訳)形態形質および分子データに基づき記載された中国南部産の新種Antrodia tropica
Cui, B., 2012. Antrodia tropica sp. nov. from southern China inferred from morphological characters and molecular data. Mycological Progress. Available at: http://link.springer.com/article/10.1007/s11557-012-0829-7 [Accessed November 30, 2013].
【R3-00055】2013/11/30投稿

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3行まとめ

中国海南島でEngelhardtia hainanensisの腐朽材から発見された菌を、形態および分子に基づいて新種Antrodia tropicaとして記載した。
本種はAntrodia属菌としては46番目、中国産のAntrodia属菌としては23番目の種となった。
本論文の分子系統解析では、先行研究と同様にAntrodia属菌の褐色腐朽菌との類縁性が示唆されるとともに、Fibroporia属菌が単系統群を形成した。
中国海南省昌江黎族自治県覇王嶺国家森林公園

(新種)

Antrodia tropica B.K. Cui
語源…熱帯の
mycobank_logoSpecies_Fungorum

【よく似た種との区別】
Antrodia huangshanensis
ITS領域に基づく系統樹でごく近縁
ITS領域に基づく系統樹で明瞭に区別される
本種より乾燥した環境に生育する
発生基質が本種と異なりマツ属のPinus massoniana
子実層面が本種と異なり白色~クリーム色
孔口のサイズが本種よりも大きい
担子胞子が本種よりも小さい
担子胞子が本種と異なりソーセージ形
本種と異なりすべての部分に骨格菌糸が多くみられる
“dissepimental edges”に分枝、屈曲する菌糸が見られる
Antrodia ramentacea
ITS領域に基づく系統樹でごく近縁
2菌糸型で生殖菌糸が多くを占める
ITS領域に基づく系統樹で明瞭に区別される
孔口が本種よりも大きい
担子胞子が本種よりも大きい
本種と異なり紡錘状のシスチジオールを持つ
Antrodia sordida(カラマツアナタケ)
同じ中国の熱帯域に分布する
ITS領域に基づく系統樹上でかなり離れている
本種よりも高標高に分布する
発生基質が本種と異なり針葉樹
本種と異なり子実層面が藁色~褐色
孔口のサイズが本種よりも小さい
担子胞子が本種より小さい
2菌糸型で骨格菌糸が多くを占める
Antrodia aurantia
2菌糸型で生殖菌糸が多くを占める
本種と異なり子実層面が黄色
孔口のサイズが本種より大きい
本種と異なり担子胞子が楕円状
Antrodia infirma
2菌糸型で生殖菌糸が多くを占める
本種と異なり亜寒帯の森林に分布する
本種と異なり針葉樹に発生する
本種と異なり子実層面が白色~クリーム色
本種と異なり子実層托実質と菌糸層の両方で生殖菌糸が多くを占める
Antrodia oleracea
2菌糸型で生殖菌糸が多くを占める
子実体が本種より脆くチョーク質
担子胞子が本種より小さい
本種と異なり子実層托実質と菌糸層の両方で生殖菌糸が多くを占める
Antrodia sandaliae
2菌糸型で生殖菌糸が多くを占める
子実体が本種より半背着生になる傾向がある
本種と異なり子実体全体が生殖菌糸に占められほぼ1菌糸型
Antrodia gossypium(シロロウアナタケ)
2菌糸型で子実層托において生殖菌糸が多くを占める
子実体が本種と異なり繊維質
子実体縁部に根状菌糸束を伴う(Fibroporia属として分ける意見もある)
担子胞子が本種と異なり楕円状
Antrodia vaillantii
2菌糸型で子実層托において生殖菌糸が多くを占める
子実体が本種と異なり繊維質
子実体縁部に根状菌糸束を伴う(Fibroporia属として分ける意見もある)
担子胞子が本種と異なり楕円状
Antrodia radiculosa
2菌糸型で子実層托において生殖菌糸が多くを占める
子実体が本種と異なり繊維質
子実体縁部に根状菌糸束を伴う(Fibroporia属として分ける意見もある)
担子胞子が本種と異なり楕円状